「熊谷の周辺の環境を記す」ってな課題で、古い写真に熊谷の風景が写っているものを探して、現在のそれと比べると、いうのがある。
地元の風景が写っているという写真は案外無い。
子どもの成長を追ったものばかりで、風景といえば旅行先のものばかりだ。スナップの僅かな背景を頼りに、地元の小学校周辺や、久下冠水橋、幻の村と言われる新川村というところでのイベント写真を取り上げてみた。
これは久下にあった冠水橋で大雨などで川の水が増水すると冠水してやがて水没し、水が引くと橋の姿が現れるというもので、橋には手すりがない。普段の通行はこれで便利ではあった。
そして現在、古い久下冠水橋の少し下流に新久下橋は開通し、冠水橋は取り壊された。
この久下の隣り、下流に新川村というのがあった。
昭和22年カスリーン台風でこの付近が決壊したり、明治時代には大洪水で決壊したりと、荒川がゆるくカーブしている所で、土地は豊だったが危険な地域でもあった。
その後堤防が再構築され、結果、新川村は現在の荒川土手の河川敷側にあるため昭和50年頃にはそっくり村を離れ移住していった。
村跡に行くと、突然電信柱がたっていたり、縦横に道路が走り、明らかに人が住んでいたという匂いがする。
と、こんな取材をしに自転車で自宅から6km程、探し探し走った。夕日に照らされて白く光るススキがゆらゆらと風に踊る風景を目にしながら、心満たされる思いをした。
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