最近の母

母は何年パーキンソン病と付き合っているやら。
調子の良し悪しが極端な時もあれば、いつもいつもお変わり無い時もある。
だからパーキンソンと聞いても、知らない人は母を見てもなんとも感じないのではと、思う。
冬場は震えが出てきて辛い時期となるようだけど・・・

今年は今のところ案外調子が良くて、あまり辛いとは言わないし、泊まりに行ってもしょっちゅう夜中に起こされることもない。
精神的な影響が表出するから、つまりは心安らかで自分なりに満足した生活をしているのだろう。

昨日は夜9時に寝たと思ったら10時頃廊下をうろうろして、部屋を覗いてはホヤホヤ何だか言っていた。
入れ歯がないと何をしゃべっているのか聞き取れない。
反対側の戸を開けてはフニャフニャ言っている、様子を見に行ったら・・・
「アヤ(姪)がこっちに来るように言うんだけど、どこに行けばいいの??」
アヤはココにはいないので、幻覚か夢でも見たのだろう、もう呼んでいないから寝てもいいのよ、と言いつつベッドに寝かす。
こういった症状はよくあること、私も年中お邪魔しているらしい。(私は熊谷にいても)

時に電話がかかってくることもある。「何で夜遊びに来て黙って帰るのよ、何か用事があったんでしょ?!」
もちろん遊びに行ってはいないが、母にはそう見えたのは事実。
やんわりとつじつまを合わせて、風邪を引かぬようになどと言いつつ電話を切る。

認知症とも違う。薬の副作用らしい。
夜中に孫が現れて「お腹がすいた。」と、言うから御餅を焼いてあげて眠りにつく。
勿論、その孫は来ていないから、朝になっても餅はそのままテーブルにある。
それをくよくよせずに、飄々と暮らせるのが母の長生きの秘訣かもしれない。
母を暖かく見守る義姉の大らかさが、それを可能にしているのだろう。

top | Original design by John Oxton | Illustration by Denis Radenkovic | This design is released under a Creative Commons licence