テレビで秩父の紅葉を伝えていた。
今日は暖かく小春日和だったから、では行ってみるか、という事で爺ちゃん婆ちゃんを誘ってドライブに出かけた。
ちょっとの間に国道140号線の街路樹は色付いてきて、赤くなっただのあれは黄色くなっただのと話しながら、いつも通る道にさしかかると、そこの木々はやっぱり緑色が濃くて、さっきの紅葉はなんだったのかしら?変ねぇなどと車を進めて行った。
爺ちゃんは普段は植木をいじったり本を読んだりで、あまり活動的な人ではない。その点婆ちゃんは趣味が多く、あっち行ったりこっち行ったりと、80を過ぎても東京あたりにさっさと出かけて行ってしまう。
そんな爺ちゃんは、
「いつもじっとしていると飽きてきちゃうんだよ。車に座ってじっとしていても周りの景色が変わるからいいねぇ。」
すると娘は
「そりゃ、車が動いているからだよ。」と、何か妙な会話をしている。
140号線をどんどん西に行くとやがて、長瀞の文字が目につくようになってきて、ライン下りでもしない?と声を掛けてみる。
婆ちゃんが行った事がないんじゃ、やっぱり行ってみよう。
爺ちゃんは行った事があるから待っていると言う。
駐車場で降りるとさっさとトイレに入って行く爺ちゃん。
どんなシステムになっているか店の人に聞いてみた。
親鼻橋までマイクロバスで行ってから船に乗り込み約3キロ下ってきて、長瀞駅近くまでと、その先さらに3キロ下って行くコースがあった。(一人1550円也)
親鼻橋からのコースがやや急流で面白いそうだから、バスで登って行った。
爺ちゃんは一緒に行って又バスで帰ってくればいいかと、思い一緒に乗って出かけた。
わいわいやっていると爺ちゃん気が変わって一緒に船に乗る気になった。
マイクロバスを降りると、杖をつきながらさっさと船の方に行くマイペース。
後から追いかける婆ちゃんと私達。ゆらゆら揺れる船に一番乗りした爺ちゃんは一番奥の席に座った。そこは一番後ろの席で、案内担当の船乗りのすぐ前だった。
耳が遠いいから丁度良かった。
岸を離れると間もなく、秩父電車の鉄橋が狭い峡谷に溶け込んでいい景色をつくっていた。川の波は白く立って流れの早さを感じる。
国体のカヌー競技の会場になった付近では更に流れが速く、カーブしたりで気を付けないと水を被ってしまいそうだった。
下って右側には切り立った岩や紅葉した木々が景色に変化を与えていた。
暫く行くと、夫婦の滝があって、岩と木々には滝がよく似合う。
よく見ると少し広めの滝には虹が懸かっているのが上手い具合に写っている。
左側には有名な岩畳がずーっと伸びていてそれなりに独特の景色を見せていた。
約20分間のクルーズ?だったけど、気持良いものだった。
台風の後、今より水嵩が10mも上がって、20日間も営業できなかったそうで、丁度良い水量に、透明度を取り戻し、ポカポカ陽気と3拍子も揃うなんてめったにありゃしない好日だった。
お昼には長瀞で秩父そばを食べた。
再び車に乗り、秩父方面に駒を進めながら、どこさ行くべ~。
2時には引き換えそうね、と走って行ったのです。
秩父の道の駅で休憩がてら寄り、婆ちゃんは近所にみやげを買うからと品定めに勤しんでいた。
天然のなめたけが380円、取れたて椎茸が袋一杯で150円・・・安い!買って今晩の一品にしよう!
やっと婆ちゃんも買い物が済んで外に出てきて、美味しいコーヒーでも飲んで帰りたいね、と途中の自家焙煎の店に寄った。
ログハウスで、店に入った途端木の香りがほ~んのりしていい感じ。コーヒーも美味しい此処に寄って良かった良かったと、爺ちゃん婆ちゃん。
壁には秩父の山の四季の写真が飾られ、とても雰囲気がよかった。
順調に走って、これじゃ余裕で「水戸黄門」が見れるな、と言っていたが、長瀞町の後半には渋滞にはまってしまった。
一本道で横道もなく、抜け道がないので流れに身を任せていた。
したら、何の事はない、寄居町に入ると水漏れの工事で片側通行のところがあった。これを越したらスイスイで、あっという間に帰りついた。
あそこからの対向車の渋滞はひどいものだった、あったり前田のクラッカー。
後ろの席では二人ともスース-おねん寝してたとさ。