老いてますます元気

家から4分歩いた所に爺と婆が住んでいる。
二人合わせて175歳といっても後11日で176歳になる。
婆は今日、皮工芸の教室があるからとせっせとお出かけ。
頼まれた野菜と花を買いに農協へ行きつつ、爺の顔を見に寄ってみる。

すると、左足を摩りながら、「こうこう、こういう訳だ。さて、植木に水を・・・」
気の強い嫁こと私は、
「ちょっと爺ちゃん、今日は土曜日しかも11時ですね。植木の水は後でいいから医者行に行きましょ。」
 
身近な人の言う事は聞かない爺ちゃんだから、チャンスとばかり、先生によ~く言ってもらった。
『杖というのは使う道具であること。使えない身体になってからは使えない、上手に使うと楽でよい、などなど。』
足の痛みは、股関節からきているらしい。その他筋力はあるし、体格もシッカリしているし言う事はない、そうだった。
当分は、大人しくしつつその後は杖を使ってせっせと歩くように言われた。
ほ~れみたことか、頑固な爺さん、どこもこれといって悪いところはないよ。こりゃ後10年は頑張るべ。
先生は200でも300でも生きていて結構ですよ、なんてさ。

昼下がりに婆が帰ってきたらしく電話が来た。
「爺ちゃん、杖使いが上手くなったぞ、って言っているわよ。お世話様でした。」
よしよし、その調子。歩くのがとても楽になったらしい。道具は使うためにある・・・分かったか~爺!!

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