勝手気まま考

一人暮らしになって何年たつのだろうか?
同居人がいないという事は、自分だけの空間がそこにあるということと同義語ではない。
為すこと全てが自分自身に返ってくる。
当然のことながら、たとえば物を動かしてそこに置く。
決して元の場所へは自分が戻さない限り戻りはしない。

そんな生活に、4日間ほど娘が泊まりに来た。
来月に向けての産後の準備を兼ねていた。
「あんまり、一人暮らしにどっぷり浸かっていると、困るんでない?」
と、言われた。何のこっちゃ。

何でも自分でやるのは、ある意味大変でもある。
テレビの前にどっかりと座り込む娘の姿を見ていて、「ありゃりゃ、何しに来たんやら?」
ところが食事の支度をして、さて配膳を・・・と、声を掛けようと思うとテーブルにはいつの間にかランチョンマットが敷かれ箸や取り皿が出ている。
食べ終わって「ふぅ!」と言っていたら食器類は洗われ、ふっと視線を背後に向けると洗濯物がたたまれている。

家の中に自分以外に人がいるのは手が倍以上になっていて、余分な気は遣うけれど便利だなぁ!とつくづく思った。
日常に暮らすこと、只そこにいて庭をいじったり、買い物に行って特に欲しいものはないけれどと、言いつついつの間にか山のように買い込んでいる姿をみると平和なんだろうね。

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