アルルの朝、ローヌ川のほとりを散歩する。川面を伝う風は涼しく、その心地良さは感動を覚える。
川に限らず水というものは人にとってかけがえのないものである証拠が、ここにも表れているようだ。水面から来る風のメッセージは、五感を越え それ以上の快感になってこの空間にどっぷりと浸かってしまう自分に気付かないほど強い。声もないままゆっくりと歩き続けた。
ふっと視界にはローマ時代の浴場のところまで来てしまっていた。現実に戻される瞬間がくると、お腹では虫が鳴きはじめた。
パンが食べたい。そうだ、朝食はまだだもんね。市街に入ってパンを買う。フランスのパン屋っていいなぁ。焼きたてパンがすぐに買える。
アルルの駅からTGVでパリに戻る。今日は6月15日で娘の誕生日だ。だから、夜はキャバレー“クレージー・ホース”でヌードショウを見る。
クレージー・ホースでは照明がとても素晴らしく美しく芸術的な程だ。それが楽しみでパリに来る前からリクエストをしていた。
17区の自宅から散歩がてら凱旋門に行き、シャンゼリゼ通りを下って行った。夜になるのが遅いから10時開演でも明るいうちに行ける。
やはり評判に違わず、素晴らしい舞台だった。粒ぞろいの踊り子達がこれぞプロ!とばかりに迫力のある舞台を見せた。途中にはマジックショウもあったり、画像を取り込んだりと、工夫が結構見られた。ただ一つ、その画像が最後に長々とあったのがいただけない。
宣伝なのだが、あれは逆宣伝になっていた。英語圏の客が多いのか、語りは殆んど英語で助かった。つまり、フランス人は来ないって事?