モンブランを間近に

9月1日(水)の朝も早く目覚めた。
すぐに窓からモンブランを見上げる。
 シャモニは谷間の町だから朝日が見えるのに時間がかかる。やっと8時頃にはお山のテッペンに日が当たってきた。朝の光は一種独特の色をしている。
今日はロープウェーを乗り継いで3842mのエギュイユ・デュ・ミディまで行く。
帰りはプラン・ド・レギュイユ(2317m)までロープウェイで下りてからトレッキングをしながら氷河を見つつ、ル・モンタンヴェールに出て、登山電車でシャモニまで帰って来る予定だった。
薄寒い感じがしなくはないが、身支度を整え、ロープウェーの駅まで歩いていく。

何しろ3842mまで行けば真っ白な世界が待っているはずで、フリースとウィンドブレーカーを持っていった。
途中、パン屋に寄ってパンを買う。焼き立てでいいようも無いくらい美味しい。カリカリにふわふわで、バケットはあっという間になくなっていった。ゴートのチーズとほうれん草の入ったデニッシュ、ショコラ・オ・ショコラも買う。
駅に着くと、本格的な登山の格好をした人でいっぱい。何か、場違いのような気もしないでもないが、めげずに切符を買って列に並ぶ。
ゴンドラに乗ると、あっという間に高度を増して、耳がツンっとなって唾を呑み込む。
途中の鉄塔が少なくワイヤーが大きくカーブを描いているのが見える。断崖絶壁を伝っていくようにすすみ、鉄塔のつなぎ目ではガックン!となると、乗客は一斉にオゥ!と言った。
ゆらゆら揺れるし、ほとんど足元は見えない。ま、見ることもないけれど、街の姿が遠のいて、朝日の当たる区域がはっきりと見えた。
 8分もすると中間駅プラン・ド・レギュイユ(2317m)に着き、再びゴンドラに乗ると10分程でエギュイユ・デュ・ミディ(3842m)に着いた。
やはり空気は薄い。ゆっくり歩かないとドキドキする。
展望台に登ると眩い光が私たちを包んだ。
今まさに目の前 にモンブラン(4810m)が真っ白くて丸みをおびた山頂がここにある。
白い山=モンブラン
東の方はイタリアで真っ白い雲海が爽快に白い山々を包んで、幻想的な世界を見せて、あっと息をのむような美しさだった。
その国境付近に少し尖ってみえるレ・グランド・ジョナス(4208m)が見える。(左の方)実物はやはり格好がイイ!
雲海は爽快
遠くの景色に見とれて、ふっと目を落とすと尾根を行く点が並んでいた。
登山の支度をしていた彼らが目指していたのがあれだったのだ。
よく見ると尾根に人
展望台を下りて向かいのトンネルを抜けると、モンブランの姿も変わって見える。手前の岩には赤い服を着た登山者がいる。
ここにも登山者が

すぐ目の前に尖がった岩のようなドリュ(3754m)が天を見上げていた。
ドリュのテッペン

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