今朝の新聞で目にしたタイトルだ。(塩原経央氏記述)
う~ん、単に物忘れによるものでなく、漢字を平易化したために坂道を転がり落ちるがごとくの、国語力の低下を招いている事実を愁いている。
そういえば、我々の世代では読めても書けない場面に遭遇するが、今の子どもたちの世代では大学生でありながら小学三年程度の漢字さえ読み書きできない者も珍しくないという。そういう輩がなぜ大学に合格したか不可解ではある。
漢字を知らないために先人の文章が読めなくなるだけでなく、知識や情報から大衆を疎外する結果をもたらしたのではないかと、氏はいう。
つまり、この先、長い間に培われてきた文化の継承に黄色から赤信号の警鐘を鳴らしているわけだ。
確かに調べ物をしていて、先人の知恵には現代を凌ぐものが多いと関心することも多い。
養老孟司氏は言っていた。「日本で表意・表音文字を使っているが、欧米などの表音文字のみでのそれとは、脳の働きが全然違う。」と。「だから、早くからの英語教育は、脳の働きに影響が出て、極端な話、日本語理解に苦労を招く。」
国語を平易化することは、日本語らしさから離れ、意思疎通の道具としての国語を劣化させている。
そういえば、こういうことは国語のみにとどまらないような気がする。
「進歩」という退化が蔓延してきている。
努力をあまりしないで簡単に、便利に・・・、結果、どんどん馬鹿を作って国力の低下を促進しているのだろう。
自身を振り返ってみても、親のように達筆ではないし、謡を歌えず、着物も縫えず、季節ごとの食器類の入れ替えもそれ程マメではない。親を越している部分もあるが、満たない部分の多さに気付く。
これは長い目でみたら、国力の低下へと例外なく繋がっているのだろう。笑い事ではない。
2 Comments