古代の都アルル

イェール駅を列車は時間通りに発車した6月14日の朝。
ところがマルセイユには15分位遅れて着き、アルル行きの次の電車に乗れなかった。
時刻表を見ても分からないので切符売り場に並んで聞いた。持っている切符に時間を書き込んでくれて、一件落着。50分後にもっと遠くまで行く電車があって、それに乗るように教えてくれた。何しろ本数が少ないし、行き先もバラバラだから、慣れない人にはわかりにくい。
 アルルに着いたのが13時頃で、駅近くのホテルゴーギャンに荷物を預けた。
宿の前の広場は緑そこは旧市街でいい雰囲気だ。
2階の窓からはマルティーヌ広場になっているロータリーがあって、その向こうには城壁とカヴァルリ門がある。
 
 一息ついて旧市街地方面に行く。カヴァルリ門をくぐって行くと正面に円形闘技場がある。この競技場は思っていたよりこじんまりとしている。
古代ローマの競技場
この周りにはレストランやプロヴァンス独特の色鮮やかなプリント綿がある。
アメリカやカナダでもよく見かけた、あのプリントの発祥の地がここだった。特にオリーブの葉や実をデザインしたものが素敵に見える。
競技場の南側に古代劇場があって、そのまま道なりに行くと町の中心レブュブリック広場に出る。
闘技場と古代劇場アルルマップより一連の古代遺跡は紀元前シーザーの時代にローマの植民地から始まって何世紀にもわたって開発されてきたなんて、まこと歴史を感じさせる重いものがある。
フランスのイメージからは遠いけれど、地理的に考えて決しておかしなことではない。あの海の向こうにはエジプトがあるし、気候は申し分ないしで、ここアルルは古代の中心都市になるべくしてなったのがうなずける。
世界史の授業には無関心だったのが今となっては悔やまれる。

ツーリズムに寄って地図やガイドブックをもらって、カマルグ湿原へ行くバスの時刻を確認しレストランに入る。
何気なく入ってピザを頼む。これが不味い!!冷凍だ、よくこんなものを出すとあきれる。しかも値段が高い!これじゃ、隣りのマックの方が余程ましだ。半分以上残して外に出た。

ここアルルにもプチトランはあった。のんびり観光するにはもってこいで、乗る。
さすが世界の観光地、世界遺産にも登録されているだけのことはある。各国語のイヤホンガイドが付いている。日本語もあった。
レブュブリック広場から始まって、競技場や円形劇場脇、カヴァルリ門を通って、ローヌ川沿いを行くとローマ時代の浴場もあった。
ローマ
ローヌ川での眺めは素晴らしい。ゆるいカーブになっていて、古い街並が妙になじんで風格さえ感じる。

ローヌ河畔
バス停で娘と別れて市内を散歩する。メーン通りから少し中に入ると、ゴッホの描いた庭園をイメージした中庭がある。手入れが行き届いてあの絵そっくりに再現している。
ここはゴッホが耳を落として入院していた病院跡で図書館や店舗になっている。
アルルの療養所の中庭

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