ニースからイェールへ

6月13日朝早く目覚めて、花市場へ行く。
薔薇の花が一杯
広場には植木屋をはじめ花屋は勿論、オリーブオイルや、それを使って作った惣菜、マジパンのようなお菓子類、ドライフルーツ、野菜などなど・・・普段の生活に密着したものが売られていた。スパイス類もかなりの種類がそろえられていていた。
 これからイェールのホストファミリー宅へのおみやげに薔薇の花を買うのだけれど、とにかく薔薇の種類が多い。どれもこれも素晴らしくて安くてこの上ない。フランスでの物価はいつも高い感じがしてたけれど、ニースの薔薇の花は安くて品質が良い。明るいオレンジに淵がほんのり赤いちょっと洒落たのを見つけようやく買う。遠くに持って行くからと、新聞紙でしっかり包んでもらう。

 ドライトマトも試食したら美味しかったので購入する。半生でいい感じ。
こんなにあって5ユーロ。ほんのり塩味でオイルで戻さずそのままでもおやつになりそう。
ドライトマト

そうこうする内、観光客が増えてきたので退散することにした。
日本人の団体も来た。そそくさと、裏から宿へと帰って行った。 

発車時刻前には列車に乗り込むと、やがて雨が降り始めた。いいタイミングだった。
ピカッとしたかと思うと雨は凄まじい勢いになった。
ゴトゴト叩くような音がしたので外を見ると、大きな雹になっていた。
車内放送では「この先で故障が起きたので45分位発車が遅れます。」ときた。
ますます、雹と雨は強くなり、やれやれしばらく缶詰かぁ!と言いつつ発車を待っていた。
待てど暮らせど、動かない。隣りの列車など、車内照明さえ落ちている。2時間近くたったろうか、隣りの列車に明かりが戻り、やっと動くかな?と希望を抱いた。
それにしても、その後、何のアナウンスもないなんて・・・皆大人しく待っている。
これじゃ、トゥーロンでの乗換え電車に乗れないし、それなりに行くっきゃない。

イェールでは今か今かと待っているし、電話をしている間に電車が出たらどうしようってんで、イェールに電話を架けるに架けられず、でも、架けなくては・・・と、やっと電話をしに行った。とたん、間もなく発車するとのアナウンス、あれあれま・・。
ゆっくり、イェールのお宅でくつろいでるはずの時間にやっとこ、ニースを離れる事ができた。
雷くらいで列車が止まるなんて、ついてないなと、ぶつぶつ。
でも、命に別状があるわけでなし、無駄な時間を過ごしたけど、この時期に1cmほどもある大きな雹を見れたんだからいいかな?
 トゥーロン駅に着いたが、乗換えの電車はない。そこで案内所に行って聞いてみると、外にバスがあるからそれに乗るようにと切符をくれた。ほう!ちゃんと考えてくれるんだぁと、行くと、通常の路線バスがあるだけ。運転手に後5分で出るのを聞いて、急いで駅に戻ってイェールの家に連絡をいれ、バスに戻ってきた。

 その間バスの中では、時間なのにまだ戻って来ない!とか、娘さんが戻るまで待つから大丈夫だよ。心配だろうにねぇ、とか、他の乗客は言ってくれた(多分)。運転手は車外に出て待ってくれていて、文句も言わずにっこりと発車した。

 30分位でイェールのバスターミナルに着いた。お迎えの車でやっとマダムに会えた。
予定より2時間半も遅れたのに、皆さんお腹を空かせて私たちの到着を待っていてくれた。
ウェルカムパーティーはワインから始まった。ヴァカモレとチップなどが出され、話が弾む。しばらくするとムール貝のワイン蒸しが山のように出てきた。
白ワイン、にんにく、ローズマリー、タイム、オレガノ、バジル、シナモン、ローリエ、塩、5色の胡椒に勿論バターで蒸し煮にする。時々かき混ぜ貝の口が開いてきたら出来上がり!
そしてスペシャルグリーンサラダ。ここでしか取れない柔らかい葉っぱがあってこれが美味しいのよ!と勧めてくれる。
こんなに私たちが遅れたのは、列車のストかと思ったらしい、それ程ここフランスではストが日常茶飯事なのだと言う。

 今日の気疲れが災いしたのか娘はちょっと酔いが回り気持ち悪くなってしまった。
近くのホテルに宿をとり、のんびりと荷物を置きに行った。少し休むと気分は治まり、また散歩がてらお邪魔しに行った。夕焼けがとってもキレイだった。
イェールの夕日21時半
イェールではHôtel de Orangeに泊った。名前の通り、中庭にはオレンジの木があってここのオレンジジャムは天下一品の旨さだった。
 朝食は中庭のオレンジの木の下で白いテーブルに焼きたてパンとコーヒー、フレッシュジュースにジャム、こぼれるほどの美味しさだった。勿論空気も味のうちだった。
 電車の時間にあわせてイェール駅に向け出発した。
街の街路樹は椰子の木で、その下にはいろいろな草花が咲いていた。
街路樹と花々
イェール駅には青い列車が停まっていた。自由席なので適当な所にのればいい。といっても次の乗換えはマルセイユだから、前の方が都合良いという事で前のほうに乗ったつもりだった。
このバック一つで二人分
動き始めたら逆で、後ろに乗っていた。今日はマルセイユ経由でアルルに向かう。

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