年寄りは面白い

 今日は近所の社協サポートセンターで、ケーキ作りのボラ活動だった。
柔らかシフォンケーキを、お婆ちゃん達と一緒に作って、バースデイケーキに仕立てて、パーティーだった。
 材料を揃えて、ホイップしたり、レモンを下ろしたり、絞って果汁を作って頂いたりして生地を作り、型に流し込み、と、自分達で作った感覚があるから楽しそうだった。
 オーブンで焼いて冷めるまでの時間はカラオケタイムだった。
ナツメロは勿論だけど、いつも椅子にじーっと座ったままで、何を話すでなしのお爺さんが、突然立ち上がって盆踊り風の振り付けで、うろうろ踊りだした。笑い顔でもないんだけど、無表情で淡々と踊ってる?

そこに、もう一人のお爺さんが敬礼をすると、さっきの踊りのお爺さんも敬礼で答え、ニンマリとする。その場の雰囲気がホンワカしている。
 若手のお兄さんが真似して敬礼をしたら、そんなのは敬礼ではないとばかりに、返礼をしない。声を出さずまた踊りながら進んでいく。
職員の女性が、「今日は絶好調ね。とても気分が良さそうよ。」
 こちらの方に来て、また敬礼をする。さっきのお兄さんも真似をするが、首を振られてダメを出し、微妙な手の角度を表現して指導する。今度は何回か敬礼をしてくれる。その間一言もなし。
そのうち、他のお婆さんが踊り出すし、マイクがこちらにも回されて1曲歌う事になった。手拍子がはいる。
 やっとケーキが冷め、きれいに飾ってロウソクを立て、ハピーバースデイの歌を歌って皆に切り分けて食べる。
自分達で作ったケーキは美味しいね、売ってるのと違うよ、と嬉しそう。
「こりゃ、贅沢だね。いかったね。」
家に帰ったら、どっと疲れが出てきた。

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