夕方、土手の上を散歩していました。
ちょっと下がった草むらで、2-3歳くらいの男の子がしゃがんで遊んでいました。もう黄昏時です。たった一人で遊んでます。
そばまで行って、声を掛けてみると一生懸命に石ころを選別しています。
上の方からお婆ちゃんらしき人が呼びました。、我関せずと自分の世界に浸っています。
無理やりに引き戻そうとすれば、抵抗するのは当たり前です。
「ねぇ、あっちの方まで競争しない?」
坊やの名前はケンちゃん。拾った石をしっかり持って、あっという間に走っていきます。
どんどん、追いかけっこです。
ケンちゃんのうちの近くまで来たので階段を降りないといけないのですが、お構いなくどんどん、反対側へ行こうとします。
お婆ちゃんは又、こっちだからと無理に引きずりおろそうとします。
「ねぇ、ケンちゃん。見てごらん!あっちにまん丸のお月様が出たよ。」
静かに空を見上げるケンちゃんです。
「あっ!お空に電気が点いた!」
「お母さんに教えてあげなくちゃね・・・」
すると私の手を引いて階段をとんとこ降りていきました。
今度は私の手を離しません。明日あそぼ、といっても納得しません。とうとう、お家までついていきました。
ケンちゃんは抱っこ!と催促します。
手が届くと「ピンポーン」と鳴らしてご満悦です。そして玄関の中に消えていきました。
ケンちゃんはお兄ちゃんになったばかりです。
お母さんと一緒にお婆ちゃんちに来ているようです。じゃ又ね・・・