下弦の月も随分小さくなって、伊勢海老漁は始まった。今日はいよいよ東京経由で熊谷に帰る。
実家の母は首を長くして伊勢海老の帰りを待っている。
朝一、オジジは浜に海老を買いに行ってくれた。帰ってくるとぴょんぴょんと元気の良い海老を1匹づつ新聞紙に包みダンボールに詰めて行った。かなりの大きさになったがめったにこんな生きの良いものなど、東京では手に入りにくい。
それから宮崎からの土産にポンカンと知り合いの栽培するスイートピーの発送伝票を書き込みお金を預ける。支度が出来るとオババに別れを告げ、風田を後にする。
先ずポンカン農家に寄ってみる。相変わらず忙しそうにしている。1箱持って行くように言われたが持てないのでネットの袋にポンカンを詰めてくれる。そして、又お出でなさいね、と優しい言葉をかけてくれた。
次には宮崎空港に程近いお宅に寄った。ここのご主人はゴルフのクラブを加工をするほどのお方。毎年ゴルフシニア大会に出るオジジの為に、尽力してくれているらしい。オジジのアイデアに添うように加工して、もうちょいどうの、こうのと話している。熊谷から送った煎餅を手渡し、挨拶をして別れる。
空港に着くと、ネット予約をしておいたチケットを購入し搭乗手続きをした。伊勢海老とポンカンを残し後の荷物を預けて幾らか楽になった。その手荷物の中には「百年の孤独」という貴重な焼酎も入っていて、帰ったら父ちゃんにやるんだぞ、そして皆と仲良く飲むんだぞ、とオジジが持たしてくれたのだった。
すっかり世話になってしまって・・・。甘えさせて頂いてありがとう!!
たまにはこんな人間関係があっても良いかも知れない、第三家族。