St.-Aubin-Colmierからフージェール

 気まぐれで寄った小さな村St.-Aubin-Colmier。
バス停から、Centre Villeのサインを頼りに中心部に向かって歩いていく。
家々の壁は石造りでこざっぱりしている。住人の姿はまばらである。やがて教会の塔の下につくと、いかにも村の中心という感じで、広いロータリーになっていた。そこに面して色々な店舗があるが、やはりここはフランス、パティシエとクレープリーの看板は目立つ所にあった。役場前の地図を見ると、小さな湖と城址があるようだったので行ってみる事にした。閑散としている
 公園の鬱蒼とした木々を抜けるとそれはあった。

廃墟と化した塔があり、坂を下ると湖に出た。村人達は思い思いにくつろいでいる。ある者は釣竿を掛け持ちでセットして、自転車でチェックして回っていた。野鳥も沢山いて澄んだ鳴き声を聞かせてくれた。
湖の周りをゆっくり歩いていると、とても心がゆるんでくるのが分かる。水の力かと思った。崩れた城の塔 湖で散歩
 
 表通りのバス停に戻ると、向こうの方に果物屋を見つけた。ちょっと時間があったので店に入った。サクランボがある。真っ赤なアメリカンチェリー風のと佐藤錦風のと2種類買う。みずみずしくて思ったより美味しかった。
バス停に又戻ると、来る時バスが一緒だった高校生風の男の子が二人・・・・、もしかして私達と同じパターン?の様だった。椅子に座っていたが、何と私に席を譲ってくれたのだ~。ちょっと嬉しかった、その気持がね。

バスはフージェールに着くと、ツーリズムに寄って地図と情報を得る。バス停の位置は行きと帰りでは違うので乗り遅れては大変だか、ここら辺はきちんと押さえなくてはならない。
さて、高台にあるサン・レオナール教会をおとずれる。そこにはお守りだろうか?数々のお化けのような飾りが着いていた。それは奇妙なバランスを保って完全な教会の佇まいをみせていた。
教会の飾り サン・レオナール
 この教会のテラスからはフージェール城の美しい姿をみる事が出来る。騎士が出てきそうな、そんな重厚な雰囲気がある。今日は少しガスっていて残念なのだが・・・
遥かフージェール城
教会の高台からフージェール城を目指して、ゆっくりと降りていった。よく手入れされた公園の木々の合間をぬって行った。日差しはとても強く肌をじりじりと焼いてくれた。その分大きな木の下に入るとヒンヤリ気持ち良かった。20分位でやっと城についた。
 時計をみるとバスの時間が来ていた。事の外時間がかかって、乗り遅れかと思って道路の反対側に渡ったとたん、向こうからバスがやって来た。
私達は急いでバス停まで走って行った。何とか間に合って乗れたのはラッキーだった。
レンヌに着くまでの1時間は昼寝タイムとなった。窓からの風が疲れを癒してくれた。

レンヌに着くと8時を過ぎていた。お腹も空いていたので、モロッコ料理のクスクスを食べた。この店のオーナーはモロッコ出身で素晴らしい陶器を壁に飾っていた。
クスクスはボリュウム満点で、2人前って感じだった。時間を掛けてゆっくりと食べたけれど、食べ切ることは出来なかった。クスクスを食べる
隣りのテーブルにいた叔父さんのお皿はもっと大きかった。何となく会話が始まって、旅のルートやら、これから行く先の情報をくれた。地元ならではの話も聞けた。そのうちオーナーも話しに混ざって楽しいひと時を過ごした。その叔父さんはミントティーまでご馳走してくれた。ほんのり甘くて爽やかな味だった。
モロッコの絵皿
ワインも飲んでホンワカ気分でホテルに帰ってきたら、コーラが飲みたくなった。
ホテル前のカフェに入ると、カウンターの店員が酔っ払っていて、意味不明の様子、注文を聞いているのかいないのか??近くにいた客が寄ってきて自分のセーターを私の膝に乗せてきて、一緒に飲もうと言い出す始末。思わず目配せで草々に店を出た。
 二人だったから良かったけれど、今度からは気を付けようねぇ・・とさっさと部屋に戻った。部屋の窓からの眺めがとても気に入って、お互い顔を会わせながら、直ぐにホテルが決まらなくて良かったねと、言い合った。

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