筋肉痛で登山電車

 9月2日 目覚めたものの、足がひどい筋肉痛だった。
こりゃ、思ったより若い証拠だ!と喜んでいた。
平らな所を歩く分にはたいした事はなかった。
お散歩すれば、迎え酒ならぬ迎え筋肉痛だ~とばかりに、ちょいと登山電車の駅まで歩いて行った。
これに乗れば昨日辿り着く筈の、登山電車の上の駅ル・モンタンヴェール(1913m)に行ける。
そこから小さなロープウェーでメール・ド・グラス氷河に下りて、氷河に掘られたトンネルに入るという事だった。
 
 この真っ赤な登山電車が可愛い。狭い所をすり抜けすり抜けして、20分位でモンタンヴェールについた。電車を降りるとすぐ目の前には大きく削られた灰色の峡谷が広がっていた。まるで工事現場のようだった。
 空気が美味しい!!
駅前のロープウェーに乗ると真っ直ぐ下りてあっという間に下の駅に着いた。これは高所恐怖症の人には乗れないかもね、と言いながら下車した。
小さなロープウェー
そこから峡谷の岩壁につくられた歩道を手すりに時々つかまりながら進んでいく。
この下方へ歩き出すと、尋常ではない痛みが腿と脹脛を襲う。歩いて二日目だから仕方ないかな?と無理に納得しながら歩いた。
階段では捉まって、内心ヨッコラショっと言いながら、一歩ずつゆっくりと降りて行った。
へこんだ氷河の上を渡るとトンネルが待っていた。入口ではポトポトと雫が落ちる。
ウィンドブレーカーを出して羽織る。
ヒンヤリと冷たい風が通っている。
グレーシャーブルーが目に飛び込んでくる。
氷河のトンネル
滑らないように気をつけながら歩くのだけれど、平らな道だけど足はやっぱり痛い。
氷河の中に入って行くと誰かが作った氷の椅子とか記念撮影用のスタジオだとかナンセンスな飾りが置いてあった。なぁ~んだこりゃ?
何にも無い方がスッキリするのにねぇ、と言いつつ青い氷の部屋をゆっくりと歩いた。
それにしても、氷河は凄い。何万年も前の氷が青く光っている。
真っ青だ~氷河内部” />
トンネルを出て又ロープウェーで上に戻ってモンタンヴェール周辺を散策をする事になった。氷河に沿って行くと、レ・グランド・ジョラスの北壁が堂々とした姿を見せてくれた。

外から見る氷河
なんて素晴らしい景色なんだろう!
昨日のルートを間違わなければ、ここに辿り着いていたのに~、こんな筋肉痛にならずにすんだのに~。
と、娘達は私に気遣って言う。

top | Original design by John Oxton | Illustration by Denis Radenkovic | This design is released under a Creative Commons licence