故本田竹広追悼セッション

故本田竹広追悼セッションが新宿のピットインで昨日あった。(ピットインのスケジュール14日をクリック)
なんと14時40分に開場して12グループの演奏が次々に行われ、終了時間22時30分をオーバーして23時近くにお開きになった。
その12グループのメンバーたるや日本のジャズ会の選抜がみんな集まったような豪華さで、竹広さんの交流の広さ、厚さ、情の深さといえるでしょう。
本田竹広 紀尾井ホール ピアノリサイタル
 彼の歩んできた道はほとんど知らないけれど、この結果を見る限り「半端じゃないぞ!」の一言に尽きる。
彼自身のピアノの演奏はもちろん、嬉しいのは若い才能あるミュージッシャンを多く育ててきたこと。
これもセンスの問題でしょうね。誰にでも出来ることじゃない。人の面倒までよくみていた証拠でしょ。
ある日のライブでのこと。若いプレイヤーにとって竹広さんと演奏するのは緊張するのが当たり前で、この緊張が才能を引き出すチャンスだ。
ただ優しく指導?するのでなく、ビシバシと文句を言って体で感じさせるようにしていた。
あるドラムスなどぼろくそにやられていた。”もっとハッキリバンバンやれよ!”と、態度でいっていた。
いわれた彼はますますビビって可愛そうなくらいだったけれど、プロっていうのはこんなもんじゃないでしょ。

昨晩の演奏の中でもとりわけクレージーなグループがこれ・・山下洋輔(P)是安則克(B)本田珠也(Ds)坂田 明(Sax)梅津和時(Sax)
もう傑作中の傑作。あの調子で宮古高校の校歌をやったんですよ。盛り上がりも最高で、あの雰囲気はそうそう味わえるものじゃない。
どのグループも、いつものソレとは乗りが全然違って、8時間近くにも及ぶ演奏がすべて新鮮で、心地よい疲れが残った。
トリの大御所グループに日野皓正さんがいた。なんで若く見えるのか?と、話が横であった。その訳はあのほっぺだね。
あれだけ顔面の筋肉を使えば皺が取り付くしまがない、ってね。関係ない話でした。
この大御所グループ(市川秀男(P)鈴木 勲(B)ジョージ大塚(Ds)山口真文(Sax)日野皓正(Tp)チャリート(Vo) )はピットインで顔をあわせて、何をやろうか?リクエストある?って具合で、打ち合わせなんて必要ない。顔をあわせて、音を出すことが会話になるからつまり音を楽しむ音楽なのだ。
ジャズファンにとって最高の夜になったことは間違いない。これも本田竹広さんのお陰かも。

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