先日、穏やかな日だったので車椅子でお散歩することになりました。
まずトイレで用を足して、素足だったので靴下を履くことになりました。
お部屋まで一緒にいくと、「あれ?何しに来たんだっけ?」
帽子が大好きで沢山お持ちです。「これ可愛いですね!」
と、言うと「そっちにもあるべ。こっちにもあるよ。今日はどれをかぶるかな?あれ、もう被っていたね。」
もう、彼女の頭の上には朝から白い可愛い帽子がのっていたのでした。
「ところで、何しに来たんだっけ?」
「ご免なさいね。帽子の話をして、忘れちゃったわね。靴下でしたね。」
「何で靴下がいるんかね。」
「お散歩に行きませんか?どうします?」
「あっ、そうだ。散歩ね、行こうね。」
かくして、家の鍵を閉めて外に出ました。
とても気持ちの良い日でした。
お不動尊へ行くことになり、鼻歌まじりにやがて到着したら、墓参りをしたくたったのです。
「あれおかしいねぇ。墓が歩くわけないよね。勝手にどこか行くわけないよね。どこ行ったんだろう?」中々お墓が見つかりません。
住職に挨拶をしたくなってベルを鳴らす。「手ぶらですみませんね。ちょっとここまで来たもんで、ご挨拶を・・・」
なかなかしっかりしている。昔の隣組の皆さんのお墓碑銘は良く分かって昔話に花が咲いて・・・
肝心の自分の家の墓が見つからない。
墓地は2箇所あって、あっちにも連れて行くように言われて行くと、
「あった!あった!良かったよ!」
早速手を合わせます。「やっと、スッとしたよ。でも、こんなに草がはえてしまって・・・。子どもに言わなくちゃ、罰当たりだよ。」
長い長いお散歩コースでした。帰りの彼女はいつにも増してすっきりとしたいい顔をしていました。
昼食を美味しそうに食べていました。
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